【モノ選び】初心者向け・ロックミシンの選び方&買ってわかったこと。その2・選びかたのポイント
2023/06/11
2017年秋にロックミシンを購入するにあたっていろいろ調べたことや、実際に使ってみての感想などを3つの記事(その1~3)にまとめました。
この記事『その2』では、買おうと決めた後、機種選びで悩んだ際に、調べたり検討したことを書いています。

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普通の家庭用ミシンは趣味程度、ロックミシンは触ったことすらなかった筆者の、ゼロからのロックミシン選び。
本やネットで情報を集めて検討を重ねたのですが、筆者のニーズやレベルと合致するかどうかの見極めがとても難しく、購入に至るまでかなり悩みました。
同じくロックミシン選びに悩む方にとって、ちょっとでも参考になれば嬉しいです^^。
※購入を決意するまでの経緯や、買わずに済ませようと画策したくだりについては、こちらの記事『その1』をお読みください^^
もくじ
- 1 ロックミシン・選びかたのポイント
- 2 筆者が設定したロックミシン選びの条件
- 3 候補にあがった4つの機種
- 4 悩んだ結果買ったのは、ベビーロックの『糸取物語』。
ロックミシン・選びかたのポイント
ロックミシン選びには、ある程度の知識が必要みたい。
2本針4本糸?作動送り?ロックミシン用語に戸惑う
そもそも買うべきかどうかでかなり悩んだ結果、ええい・思いきって買ってしまえ!と決めた筆者。
そうと決まればと検索してみると、わんさか出てくる機能も価格もさまざまなロックミシン。
『これとこれはどう違うの?』と商品詳細を読んでも、『2本針4本糸』とか『作動送り』とか、今まで聞いたことが無いロックミシン用語が使われていたりしてぜんぜん頭に入ってこず、ハテナが?????と増えていくばかり…
ロックミシンについての基礎知識を得る
一般的な家電ならば自分のモノサシでちゃちゃっと決められるし、トリセツを読まずに感覚で操作しちゃうタイプなのですが、ロックミシンについては全く知識がない…
これは多少なりとも知識を仕入れないと、選べない!と、ガラにもなく本を買ってお勉強することにしました。
そのために買ったのがこちらの本↓。
画像がふんだんに使われていて初心者にもわかりやすく、『へえ!』『ナルホド!』『こんなことができるんだ~』と納得しながら読み進めました。
(追記:ちなみにこの本、ロックミシン購入から2年以上経った今でも『アレ?』ということがあるたびに広げてます。おススメです!)
機能やタイプ・基本の使い方やロックミシンでできる縫い方の種類など、ベースとなる知識がつき、徐々に『ワタシが欲しい機能』も絞れてきたので、本腰を入れて機種選びをすることに。
ロックミシン選びのポイント
ロックミシンについての基礎知識を仕入れたことで絞ることができた、筆者なりのロックミシン選びのポイントを挙げてみます。
お裁縫スキルや目的によって、譲れないポイントや優先度は人それぞれだと思いますが、筆者と同じくロックミシン初心者の方ならば、重なるポイントが多いかもしれません。
価格(4万円~20万円くらい)
一番気になるご予算。
ロックミシンの価格は、メーカー・機能・生産国などにより、4万円~20万円前後(!)と、大きな幅があります。
欲しい機能が備わっていて、なるべくお手頃価格なもの希望!に決まってますよね^^;。
手頃な価格で手に入ったとしても、欲しい機能がついていなければ、使うのが億劫になったり使用機会が少なかったり…という、典型的な『安物買いの銭失い』になりがちなので、
しっかり機能を理解した上で、譲れない/諦めるポイントをはっきりさせ、妥当な価格のものを選びたいものです。
『2本針4本糸』 OR『1本針3本糸』
◆『2本針4本糸』『1本針3本糸』って?
初めて聞いた時は『針が2本もあるの?1本のもあり?どーなってんの?』って感じでした、ワタシ。
しかし、ロックミシン選びに際しては、必ず選択を迫られるポイント。ここは違いを理解しておく必要があります。
この項目だけかなり長くなっちゃいますが、どちらを選ぶかでお値段がかなり違ってくる&できることの幅が異なる重要ポイントなので、お付き合いのほどを。
(ちなみに、「3本針5本糸」なんてスゴイ機種や、「1本針2本糸」という簡易版みたいな機種もあるようですが、どう考えても過剰装備OR軽装備すぎるので、候補からは除外。)
◆1本 or 2本の『針糸』、それ以外は『ルーパー糸』
ロックミシンのフクザツな縫い目は、普通のミシンのような1本針の上糸×下糸の合計2本だけでは得られない、ということはなんとなくわかりますよね。
フクザツな縫い目をじーーっと観察すると、タテ方向に『縫う』とヨコ方向に『かがる』部分で構成されていることがわかります。基本的に、『縫う』を担当するのが針糸(1本か2本)、『かがる』を担当するのが針糸以外の2本(=『ルーパー糸』と言う)と考えると、ちょっとモヤモヤが晴れます。
『ルーパー糸』という言葉が出てきたあたりから、ロックミシンって難しそう…とビビり始めた筆者でしたが、『ルーパー』は英語で『looper』。"輪っか(=ループ・loop)を作るところ"という意味なんだとわかると、難しいという印象がちょっと軽減、かな?
◆『2本針4本糸』vs『1本針3本糸』できることの違いは?
で、2本針4本糸と1本針3本糸、どう違うの?とさらに調べた結果、2本針4本糸と1本針3本糸の違いは、それぞれの機種で一番丈夫な縫い方をした時の強度の違いであることがわかりました。
~一番丈夫な縁かがり縫いをした時の違い~
1本針3本糸で縁かがり縫いをした場合も、「かがる」と「縫う」がちゃんとできますが、縦方向に「縫う」のは1本線。
2本針4本糸の場合は、そこにもう1本直線縫いが追加されるような感じ。縦方向に並行して2本縫い目が入ることでよりしっかりと縫い合わせながらかがることができます。
この『強度のあるかがり縫い』のメインの用途は、伸縮性のある布をしっかり縫い合わせたい時に用いる縫い方です。
例えば、カットソーやレギンスなどは、着脱の際や着用中にどうしても縫い目を割る方向に生地が引っ張られがちですよね。(レギンスの股下とか膝周り、カットソーの首・裾・肘周りとか。)そういった箇所の縫い合わせに、この2本針4本糸をフルに使った縁かがり縫いをすると、しっかり縫い合わせしつつかがり縫いもできる、というわけです。
とはいえ、ファストブランドのカットソーなんかの縫い目を観察すると、1本針3本糸で縫ってあるだけのことも多いので(糸の節約が目的と見た!)、そこまで"しっかり・長持ち"を求めない場合、1本針3本糸の機種でも構わない、のかも。
◆2本針4本糸は、1本針3本糸を兼ねる
ちなみに、2本針4本糸の機種であっても、針を1本抜いて1本針3本糸として使うことが多いです。(常識なのかもしれませんが、筆者は知りませんでした…)
前項に書いた"2本針4本糸をフルに使ったしっかりした縁かがり縫い"をする時以外、ほつれ留めのかがり縫いや巻きロックをする場合は、2本針4本糸機種であっても1本針3本糸にして縫います。
◆2本針4本糸 or 1本針3本糸、筆者の選択は。
筆者がロックミシンで一番やりたいことは、
『シフォンジョーゼットの端に、細くみっしりロックをかけて、キレイに仕上げたい!』
でした。
その縫い方(=『巻きロック(細ロック)』)は、1本針3本糸で縫う縫い方。。。ゆえに1本針3本糸でもOKでは?とチラッと思ったのですが、
何事も『汎用性の高さ』を重視している筆者にとっては、心の奥底から『2本針4本糸にしとこう!ねっ?!』という声が聞こえたため、価格差が許容範囲内であれば2本針4本糸を選ぶ、と決めました。
糸かけのカンタンさ(『自動針糸通し』と『エアスルー機能』の有無)
3本も4本もある糸… 各糸の通り道は全く別なの?どうやって掛けるの?難しい? ここもかなり気になったポイントのひとつです。
ということで、前出の本に加えてYoutube映像や各ミシンメーカーの取説PDFも参照し、どうやって糸かけをするのか調べてみました。
~糸かけについてわかったこと~
>>針糸について
針穴に通す糸(1本or2本)は、普通のミシンの上糸かけをイメージしてOK。順を追ってフックや溝に手でかけていき、最後に針穴に通して糸通し完了。
最後の針穴の糸通しがカンタンにできる『自動針糸通し』がついた機種がある。
>>ルーパー糸について
針糸でない『ルーパー糸』は、最終的に押さえの下から出てくる。順を追って手で糸をかけていくタイプと、空気圧を利用して半自動で糸かけが完了できる『自動エア糸通し』とか『エアスルーシステム』と呼ばれている機能がついた機種がある。
エアスルー機能がない機種の場合、手かピンセットを使って狭いミシン下部にある部品に順を追って糸を通らせる。(糸が絡んだりして慣れるまでに多少時間が必要らしい。)
『自動針糸通し』や『エアスルー機能』がついていなければ、3万円台まででけっこう良さそうなのが見つかります。
アナログなやり方が嫌いではないし、別にいいかな…と思う気持ちと、
糸が絡むとか慣れるのに時間がかかると聞くと、ここが面倒で使わなくなるくらいなら、エアスルーがあったほうがいいよね…視力も落ちてきたし。でも高い…(最安モデルで6万円くらい)という気持ちがせめぎあいます。
筆者の場合、糸の色を生地に合わせて変えたいので、けっこう糸通しの頻度は高いかも… となると、できれば糸通しは簡単なほうがいいな…
作動送り機能
『作動送り』機能とは、縫っていく時に送る生地の分量が調節できる機能のこと。これがあれば、生地を引っ張り気味にしたり、縮め気味にしたりと加減しながら縫うことができます。
この機能が無ければ、伸びやすい生地の場合は縫い目のところだけびよ~んと伸びてしまったり、縮みやすい生地では縫い目のところがキュッとひきつれてギャザーが寄ったようになってしまったりしても、生地の伸縮性に合わせた調節が効かないんですって。
絶対にハズせない機能ですが、現在販売されているロックミシンにはだいたい備わっている機能みたいなので、そこまで気にしなくてもいいようです。
うっかりついてない機種を選ばないよう、ちゃんとチェックしなければ。
自動糸調子
それぞれの糸の引っ張り具合を調節する"糸調子"。これを布に合わせてミシンが自動でやってくれる機種があります。
筆者が検討した範囲では、自動糸調子がついているのは、"家庭用ロックミシンの最高峰"である『ベビーロック』の「糸取物語」シリーズだけ。
生地に合わせて自動で糸調子を整えてくれるなら、面倒が少なくていいじゃん!とも思いますが、一方自動による糸調子がイマイチだった場合に自分で調節したくてもできない…と思うと、マイナス面も見えてきます。
同じ『ベビーロック』の自動調子が無いタイプ「衣縫人」シリーズとどちらが良いのか迷う方が多いようで、いろんな口コミを読んだのですが、双方メリット/デメリットがあるみたい。この2つ(「糸取物語」と「衣縫人」)の価格差はあまりないので、余計迷うところです。
ロックミシンの使い勝手がまだよくわからないワタシに、糸の調子を自分で調節したいかどうかなんて聞かないで、、、とお手上げです。保留。
メーカーとデザイン
ロックミシンを製造販売している主なメーカーは以下の通り。
~主なロックミシンのメーカー~
◆ベビーロック
◆JUKI
◆ブラザー
◆ジャガー
◆シンガー
◆ジャノメ
『ベビーロック』は全て山形の工場で製作されている純日本製。評価も大変高く、ロックミシン本ではこぞってこちらのミシンをモデルに使っているのですが、同スペックの他社製品と比べると価格が4~5万円ほど高い!そして金色の漢字ロゴがあんまり好きじゃない…がモノは確実に良さそう…
『JUKI』は普通のミシンをずっと使っているので親しみがあり、青いロゴと余分な装飾の無いところが好き。こちらも候補かな?中国製というところがちょっと気になるけど…
他のメーカーは今までご縁が無かったので、特に感想が無い…そして、心惹かれるデザインのものもない…というのが正直なところ。ということで、筆者的には除外としました。
サイズ&重さ
なるべく小さく、軽く。置き場所と持ち運びやすさはとっても大事です。
同点で並んだ場合の判断基準として考慮に入れることに。
保証期間
ネットショップを比較していて気付いたのですが、お店によって"メーカーの保証期間+〇年"という形で保証期間を延長していることがあります。
不慣れなマシン、いつ思わぬトラブルに遭遇するか予想がつきません。故障時だけでなく、ちょっとした困りごとにも対応してくれそうな、親切丁寧なお店で買いたいところです。
店舗レビューなどリアルな口コミを読み込んで、信頼できるお店を探すことにしました。
割引率&ポイント加算率
例えば楽天市場の場合、全く同じモデルの価格を比較していても、お店によって割引率やポイント加算率にけっこう幅があります。機種や期間を限定してポイント〇倍!となっている場合もあるんですね。
『ポイントを貯めるための買い物』はしないと決めている筆者ですが、必要なもの・それも高額なものなので、ポイント加算率は高いに越したことはありません…(ポイントでロックミシン糸とかの消耗品が買えるし…)
オリジナルモデルや付属品も要チェック
主に大手手芸店(『ユザワヤ』その他ネットショップなど)では、一般モデルに機能や付属品をプラスし、独自の型番で販売している場合があります。
一般モデルに加え、誤作動防止機構(押さえが上がっていたりするとコントローラーを踏んでもミシンが動かない)が装備されていたり、別途購入すると数千円する『アタッチメント(押さえ)セット』や『専用マット』『糸くずキャッチャー』が付属していたり、おまけのレベルを超えた結構いいモノがついてくるので、そこも要チェックです。
お値段が拮抗している時には、ここで差がつくかも。
筆者が設定したロックミシン選びの条件
ロックミシンに関する研究結果を踏まえて、悩みに悩んで絞った条件(欲しい機能や価格)は、以下の通り。
◆価格…10万越えはNG。当然安いほうがいいけど、安物買いにならぬ程度・おサイフが許す程度に幅をもたせる
◆2本針4本糸…やはり汎用性の高さを重視したい
◆メーカー…ベビーロック(品質良さそう)かJUKI(親しみあり)
◆糸通し…できればエアスルー機能つき。めんどくさいと使わなくなる、きっと。
◆作動送り機能…これはMUSTで。(だいたいの機種についてくるけど。)
◆糸調子…自動?マニュアル?最後まで悩む…。
◆その他のポイント…同点決勝になった時に考えよう…。
候補にあがった4つの機種
以上を条件に、検索テク(?)を駆使して探しに探しまくった結果、4つのモデルが候補に挙がりました。
価格が安い順にその4つの特徴をさらっと。
候補その1:JUKI・MO114D 3万円台~
JUKIの2本針4本糸。長年販売しているベーシックなモデルです。
エアスルーや自動糸通しなどの糸掛けアシスト機能や自動糸調子など、"カンタン&便利な機能"はついていないものの、家庭用ロックミシンとして必要充分な機能は備わっています。

これくらいのお値段なら、そこまで構えずえいっ!と買えそう。
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候補その2:JUKI・MO-1000M 5万円台~
上記モデルに、できる限り欲しい!と思っていた糸掛けアシスト機能が追加されたモデルがこちら。口コミ評価も高いです。お値段も安いお店なら税・送料込みで5万台までと、ヨシとできる範囲。

機能的にはこれで充分。でも、ベビーロックも気になる…。
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候補その3:ベビーロック・衣縫人 8万円台~
ベビーロックの2本針4本糸、糸掛けが簡単なエアスルー機能や自動針穴通し付き、糸調子はマニュアル(手動)のベーシックモデル。実勢価格は8万円前後。

『衣縫人』と検索すると、17~20万円というのけぞりそうな価格のモデルが多数出てきますが、①実勢価格とメーカー希望小売価格に大きなギャップがある ②+αの機能のあるなし で、価格にかなりの幅が出るみたいです。
実際の販売価格と細かな機能の違いについては、チャットや電話で直接相談するスタイルをとっているお店が多いです。(が、筆者は実際の価格を表記していないお店にあまり好感が持てないので、そこもお店選びのポイントとして考慮します。)
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候補その4:ベビーロック・糸取物語 9万円台~
前項の『衣縫人』に、自動糸調子がついたタイプ。初心者&家庭用としては、これ以上"盛り"ようがない機能フル搭載の機種と言えるかと思います。
お店によって価格に幅はあれど、10万円くらいかぁ… もう一声安ければなぁ…
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悩んだ結果買ったのは、ベビーロックの『糸取物語』。
いろいろありつつ迷いに迷って買ったのは、ベビーロックの『糸取物語』!
購入の経緯とミシンについてのレビューは、次の記事(その3)につづく。